結論から書きます。駅員をやって体を壊しました、とは私には書けません。正直、体を壊すという感覚が、自分にはあまりないんです。
ただ、駅で働く人が体を壊すとしたら、それは立ち仕事そのものより、生活リズムのほうかなと思っています。
そして私自身が壊したのは、心のほうでした。
私は駅員から車掌、運転士と進み、本社勤務を経て、今は自分の希望で駅に戻っています。途中に、心の不調で半年休んだ時期があります。
この記事で分かるのは3つです。
- 立ち仕事の体は、実際どこがどうなるのか
- 体に来るのは、立ち仕事より生活リズムだと思う理由
- 私の、体との付き合い方
この仕事、自分の体でもつだろうか。そう思って調べている方もいると思います。今日じゅうに答えを出さなくてかまいません。
前回の記事駅員に向いてない人はいる?で、私は「体力がいちばん大事」と書きました。じゃあ、その体は実際どうなるのか。会社によって勤務の形は違うので、ここに書くのは私ひとりの体感です。医学の話ではないことも、先に書いておきます。
体にくるのは、立ち仕事より生活リズムのほうだった
先に、痛くなる場所から書きます。
痛くなるのは、足、腰、膝。全部、下半身です。やはり立ち仕事ではきついところだと思っています。勤務の途中で出てくることもあります。
逆に、肩と喉は痛くなりませんでした。これは私の場合です。
勤務の大半は立っています。休憩以外は、立ったままです。
それでも、これで体を壊した、という感じはしないんです。
私が思うのは、こちらのほうです。駅の人が体を壊すとしたら、それは生活リズムなんじゃないか。
小さいころから、夜は寝るのが当たり前でした。何十年もそうやって生きてきた習慣が、この仕事だと崩れます。今まで経験したことのない生活リズムを、体にやらせることになる。だから体を壊すのかな、という感覚です。夜勤あるある、と言ってもいいかもしれません。
足や腰がしんどいのは、大半が「長く立っているから」です。生活リズムのせいだと感じるのは、10のうち2つか3つくらいです。
ただ、「しんどい」で終わるか、「体を壊す」まで行くか。その分かれ目になるのは、この2つか3つのほう、つまりリズムの崩れだと思っています。同じ時間立っていても、リズムが崩れているときのほうが、はっきり体にこたえるからです。
体がだるいのを、体力のせいだと思っていませんか。私は、時間帯のせいのほうが大きいと感じます。足りないのは根性ではなく、たぶん眠りです。
泊まりの夜にどれくらい眠れるかは駅員の泊まり勤務に書きました。
体力が落ちたな、と感じるのも非番の日です。泊まり勤務の明けですね。出かける気にならず、家でゆっくりしています。若い頃なら、そのまま遊びに行っていました。今は、自分の体のメンテナンスをする日だと決めています。
あとは、夜になると集中力が少なくなってくるのも感じます。
体のためにやめたこと、始めたこと
崩れるのが生活リズムなら、守るものも決まります。私が守っているのは、睡眠です。
やめたこと:無理な夜更かし
やめたのは、無理な夜更かしです。
寝れるときにしっかり寝る。今はそれだけを守っています。
私の中で、これは終電後の保線作業に近いです。保線は線路を守る仕事で、終電が過ぎたあとの時間に、線路を点検したり直したりします。夜のうちに整備して、朝また安全に走れるようにチェックしておく。その考え方が、自分には合っている気がしています。
走るときは走る。休むときはしっかり休む。線路も体も、そこは同じでした。
眠る時間が惜しくて、つい夜更かししていませんか。私も長いことそうでした。私が減らしたのは、夜更かしでした。
始めたこと:食べ物にお金をかける
始めたのは、食べ物にお金をかけることです。
今のコンビニには、健康に合ったいい食事がいろいろあります。値段は少し上がりますが、それを選ぶようにしました。
そのお金を出せるように、他の出費は抑えています。メリハリをつける、という言い方が近いです。
続かなかったこと:ジョギング、筋トレ、ストレッチ、アプリ
正直に書きます。続かなかったことのほうが多いです。
ジョギングも、筋トレも、ストレッチも、記録用のアプリも、全部やってみました。私は始めても三日坊主で終わってしまうタイプです。
だから今は、「これをしなければいけない」と決めつけないようにしています。できることを、ゆっくりやる。それくらいでちょうどいいと思っています。
そのかわり、自分の体と向き合う時間のほうを増やしました。
続かなかった自分を責めなくていいと思います。
体重がいちばん増えたのは、駅にいたときではなかった
食べ物の話を、もう少し続けます。
勤務が終わったあとには、もう一つ来るものがあります。疲れがどっと出るのと同時に、開放感が来ます。終わった、という気持ちです。その勢いで、普段は食べないようなものを食べてしまう。
帰り道のコンビニやスーパーで、いつもなら選ばないものをかごに入れている。そういう日があります。
体が傷むより先に、こっちのほうが効いていたのかもしれません。
ただ、私の体重がいちばん増えたのは、駅で立っていた期間ではありません。座って仕事をしていた本社にいたときです。
本社の企画部門にいたころ、ストレスでやけ食いをしていました。それで10kgほど増えました。
そのあと半年休職して、そこでさらに5kgほど増えました。食べられない時期にお菓子ばかり食べていた話は前に書きました。体を動かすこともなかったので、体重は落ちず、むしろ増え続けていました。
自分でも、うすうすは気づいていました。決定的だったのは、駅に戻って実際に制服を着て仕事をする、というときです。袖を通してみて、やっぱり変わっているな、と思いました。制服はワンサイズ上がっていました。
そこで改めて、痩せなきゃな、と思いました。
実際に体重が大きく増えたのは、いちばん動いていなかった時期でした。
今の体重は、まだ戻っていません。以前の記事では「目的は減らすことではなく、これ以上増やさないこと」と書きました。あのころは、増やさないことだけを目安にしていました。今はそこに、健康的に減らせたら、が少し足された感じです。
体より先に、心のほうが音を上げた
私が休職したのは、駅にいたときではなく、本社の企画部門にいた日勤の時期でした。
朝行って、夜帰る。勤務時間だけを見れば、泊まりのない日勤でした。
夜勤があると心を壊すのでは、と心配されることがあります。少なくとも私は逆でした。朝行って夜帰る、あの毎日のほうがつらかったのかもしれません。
それに、あのころは、あまり眠れていませんでした。寝つくことはできても、夜中に何度も目が覚めていた感覚があります。
泊まりもない。夜更かしもしていない。それでも眠れていませんでした。
体はどこも痛くない。泊まり勤務があるわけでもない。それなのにしんどくて、夜中に目が覚める。そんな状態になっていませんか。私もそうでした。体が無事なことは、大丈夫の証明にはなりませんでした。
眠れない日が続いているなら、記事を読むより先に、身近な人か専門家に話してみてください。
だから私は、「壊れる前に休みましょう」とは書けません。私は壊れてから休んだ人間だからです。書けるのは、自分がどこで気づけなかったか、それだけです。
そのときの話は仕事で心が折れたに書いてあります。今すぐ読まなくていいです。いつか気になったときのために、置いておきます。
体と、冷静に会話する
サインと言っても、正直、見づらいものです。ここが危ない、という分かりやすい線は引けていません。
だから今やっているのは、体と会話することです。冷静に、です。
まず、体重は毎日測っています。減らすためというより、体調管理のためです。現状を把握しておきたいからです。
ただ、数字がすべてだとも思っていません。毎日の体調を見るときは、データだけでなく、自分の体の感覚も大事にしています。
足や腰が重い日は、行動予定を入れません。休むことを最優先にします。
やってみて効かなかったものもあります。湿布やサポーターのような、すぐ効きそうなものは、私にはあまり効果がなかった気がします。即効性よりも、しっかり体と向き合ってやっていくことのほうが大事だと感じています。
靴も、特別なものは選んでいません。歩きやすくて軽ければ、私にはそれで足りています。
自分の体の声なんて分からない。そう思いませんか。私も、はっきり分かるわけではありません。毎日数字を見て、重い日は休む。私にできる会話は、そのくらいです。
心のほうのルールは再発防止のために私が決めたことに書きました。この記事は体の話だけに絞ります。
守るのは、立ち方より寝る時間だった
やめたのは無理な夜更かし。始めたのは、食べ物にお金をかけること。そこに、毎日の体重測定が加わりました。続いているのは、この3つです。
ジョギングも筋トレも続きませんでしたが、それでいいんです。夜のうちに手を入れておく。私がやれたのは、それだけでした。
冒頭に出した「体力がいちばん大事」に戻ります。私はもともと、体力に自信がありません。それでも続けられているのは、寝る時間を先に確保しているからだと感じています。
続いている3つのうち、今日すぐできることを1つだけ。
今日、体重計に1回だけ乗ってください。記録はしなくていいです。数字を見るだけです。
現状を把握することが、いちばん大事だと思っています。私も毎日乗っています。増えていても、今日は何もしなくて大丈夫です。数字を見て、そのまま何も決めなかったら成功です。
家に体重計がない方や、数字を見るのがしんどい方は、今日は飛ばしてください。次に測る機会があるときで間に合います。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。体がしんどいのは、あなたの根性が足りないからではありません。
出発進行!
休職→復職シリーズ(全4話)
- 第1話 仕事で心が折れた。鉄道員の私が半年の休職を決めるまで
- 第2話 休職したらお金はどうなる?傷病手当金でいくら入ったかを正直に書く
- 第3話 休職中、何もできない自分を責めていた。半年間の過ごし方を正直に書く
- 第4話 「また折れるかも」を抱えたまま 駅員に戻った私の復職のリアル
この記事は個人の体験です。痛みやしびれ、体調不良が続く場合は、我慢せず医療機関に相談してください。合うかどうかには個人差があります。休職・復職の可否やタイミングの判断は、必ず主治医・産業医などの専門家にご相談ください。

