駅員は1日、何をしている?泊まり勤務の朝から翌朝までと、日勤との違い

夜明け前、誰もいない駅の構内で、始発を迎える準備をする駅員が静まりかえった空間を見渡している水彩イラスト 鉄道員になる

駅員は、1日何をしているのか。私の場合、決まった時刻の仕事と、その間にやる仕事があります。この2つが、お互いに連携している。それが私の駅員の1日です。

駅員の働き方には、日勤と泊まりの2つがあります。この記事では、泊まりの1日を朝から翌朝まで順に追います。泊まりなら、1日が全部入るからです。日勤との違いは、最後にまとめます。

私は駅員から車掌、運転士と進みました。本社勤務を経て、今は自分の希望で駅に戻っています。キャリアの流れ全体は駅員→車掌→運転士→本社。鉄道会社のキャリアは一本道じゃなかったに、きついかどうかは駅員の仕事はきつい?現役が「きつさの正体」と乗り越え方を正直に書くに書きました。この記事は、駅員の1日だけです。

この記事で分かることは3つです。

  • 泊まり勤務の、朝から翌朝までの流れ
  • 食事や休憩を、いつ取るのか
  • 日勤と泊まりは、何が違うのか

時刻は、勤め先が分からないように「朝」「夕方」などおおよそにしています。勤務の形も会社によって違うので、ここに書くのは私ひとりの1日です。新人のころを基準にしますが、新人のときも今も、ほとんど同じです。

駅員の1日は「決まった時刻」と「その間」の2つでできている。働き方は日勤と泊まり

列車は、決まった時刻に来ます。駅員の仕事は、その時刻に合わせて動く部分と、その間にやる仕事でできています。独立したものが2つあって、お互いに連携している。私の実感では、そういう形です。「この時間にはここにいる」と決まっている仕事は、ホームに立つことです。

働き方は、日勤と泊まりの2つです。泊まりは、朝に出勤して、翌朝まで駅にいます。

駅員は、改札や窓口に立っているだけの仕事だと思っていませんか。そう見えるのは自然です。私も駅員になる前は、一日中、窓口に出っぱなしだと思っていました。そうではなくて、窓口に出る時間もあれば、後ろで裏方の仕事をしている時間もある。それが私には新鮮でした。

朝:出勤してから改札に立つまでに、引き継ぎと準備がある

出勤してすぐ改札に立つわけではありません。立つ前に、やることがあります。

流れは、着いて、着替えて、事務室に行く。

事務室では、引き継ぎをします。前の人から受け取るのは、前日からの注意事項です。前の勤務で起きたこと、今日の予定、まだ終わっていない仕事。受け取ったら、その事実を見て、今日はこういうふうにやっていくんだな、と思う。それだけです。

あわせて、その日のスケジュールを確認します。「1日のこれをやる」という割り当てが決まっているので、それに沿って動きます。

持ち場に出る直前にやることは、1つだけです。一呼吸。一呼吸して落ち着いて、「さあ頑張ろう」と思う。それから出ます。

朝のラッシュから昼前まで:ホームと改札に立ち、ラッシュが終わると仕事が変わる

朝のラッシュのときは、ホームと改札に立ちます。見ているのは、お客様の動きです。朝は、急病のお客様が多い時間です。何かあればすぐ動けるように見ています。異常が起きると、駅の中で滞留がたくさん起きるからです。

お客様への言い方の話は駅員の言い方がきついのはなぜ?内側の理由と、我慢しなくていい話にまとめています。

ラッシュが終わると、駅のお客様の流れが変わります。数が少なくなるので、「あ、終わったな」と思う。これという合図はありません。

そこからは、仕事の中身が変わります。持ち場も、途中で入れ替わります。決まった時刻の仕事から、その間の仕事へ。中身は、次の見出しで書きます。

昼から夕方:外から見えない仕事が詰まっている。食事と休憩は、1日に3回

改札やホームに立っていない時間に、駅員は何をしているか。先に、食事と休憩です。

ご飯も休憩も、ろくに取れない仕事だと思っていませんか。取れない日があるのは事実です。ただ、私の場合、食事と休憩は1日に3回。主にお昼ご飯、おやつの時間、夜の時間です。いつ取るかも、決まっていることが多いです。3回とも、それぞれゆっくり食べられます。何を食べるかは、泊まり勤務の記事に書きました。

休憩中にやっているのは、主に体を休めることです。私は、3回とも横になることが多いです。目をつぶって、ゆっくりリラックスして、瞑想をしたり。元気があれば、外に歩いていきます。新人のときも今も、そこは変わりません。1日の仕事が長いので、休めるときにしっかり休む。途中に横になるだけでもこんなに違うのか、と分かります。

休憩が取れない日もあります。列車に遅れが出た日など、何か異常が起きているときです。取れなかった休憩は、あとにずらしたり、飛ばしたり。そのとき次第です。ただ、この時間に休憩する、というのがみんな分かっています。その時間に合わせて、みんなで休憩を調整し合います。

外から見えない仕事は、たくさんあります。私がやっているのは、こんなものです。

  • お忘れ物の取り扱い。届いたものを登録して、引き取りがなければ警察に届ける
  • 駅の設備を見て回る
  • 掲示を直す
  • 駅の催しの準備や、当日の運営
  • 周知活動。駅の仕事を知ってもらったり、地域の方に貢献したりする活動

夕方から終電:もう一度ラッシュが来て、夜はお客様対応を慎重にする

夕方に、もう一度ラッシュが来ます。朝と違うのは、お客様の様子です。夕方は、早くお家に帰りたい、という方がいらっしゃいます。

夜は、人が多くて、お酒を飲んでいる方も多い。だから、お客様対応を慎重にする。ホームで危なくないかを見ています。夕方から夜は、それくらいです。

3回目の食事と休憩は、この時間帯です。

終電が近づいても、駅の様子は変わりません。頭の中で「そろそろ終わるな」と思うだけです。

終電のあとから翌朝:仮眠を取るタイミングは2通り。早く仮眠を取った日は、始発の前にまた立つ

泊まりの夜は、始発に備えて早く仮眠を取る人と、終電まで業務する人に分かれます。早く仮眠を取る人は、終電の前に先に休んで、始発電車が来る前に駅のシャッターを開けたりします。終電まで業務する人は、終電を見送って、駅を閉めてから休みます。

私は、早く仮眠を取るほうが好きです。勤務上は、終電まで業務することが多かった。早く仮眠を取るほうが好きな理由は、始発電車が出る前の、誰もいない駅のガランとした姿を見るのが好きだからです。

早く仮眠を取る日も、終電まで業務する日も、仮眠の前はシャワーを浴びて少しリフレッシュして、すぐに寝ます。仮眠は4時間前後です。眠れるかどうかや、眠るための工夫は泊まり勤務はきつい。それでも続けられている私の、眠れない夜との付き合い方に書きました。

夜、駅に泊まる自分を想像できますか。できなくて大丈夫です。私も初めての泊まりの夜は、体力ゼロで寝落ちでした。

早く仮眠を取った日は、起きてから、朝のラッシュのお客様を迎え入れる準備をします。始発に向けて準備しているとき。ここが、1日の中でいちばん好きな時間です。終電まで業務した日には、この時間はありません。

駅は、とても静かです。たくさんの声がしていたのが、嘘のように感じます。何も聞こえない。しーんとしている。山奥のほうで、しーんとしている感じです。大きな駅でも小さな駅でも、どこの駅でも、誰もいない駅というのはとても幻想的です。

泊まりの翌朝、明けの日は、朝のラッシュをさばくことがあります。それが終われば、終わりです。職場を出ます。ここまでが、泊まりの1日です。

日勤の1日は、泊まりの前半とほぼ同じ

日勤の1日は、泊まりの前半部分とほぼ同じです。改札に立ったり、裏方の仕事をしたり。日勤だけにある仕事、泊まりだけにある仕事は、特にありません。

時間帯は、朝から夕方もあれば、お昼から夜までもあります。どちらになるかは、その日のお客様の混雑によります。

日勤と泊まりの違いは、仕事の中身より、夜をまたぐかどうかです。それが体にどう出るかは駅員は体を壊すのか。心のほうを壊して半年休んだ私の、体との付き合い方に書きました。

日勤のほうが楽そう、と思いましたか。そう思うのも自然です。私自身は泊まりのほうが好きで、理由は帰るときに電車が空いているからです。

やってみて意外だったことと、これから駅員を目指す人へ

駅員になって、1日の流れでいちばん意外だったのは、しっかり休憩が取れることでした。食事のあとの休憩や、食事と食事の間の休憩でも、ゆっくりできる。普通のデスクを使った仕事とは、そこが違うのかなと思います。

これから駅員を目指す人に、1日の流れで先に伝えたいことは、1つです。自分で時間を律する。これです。改札やホームの仕事は、「この時間にこれをする」と決まっています。決まっていない時間については、自分である程度、企画業務ができます。企画といっても、駅を使いやすくする小さな工夫くらいのものです。

新人のころの私は、決まっていない時間に改善活動をしていました。普段の業務をしていて「ここを改善したほうがいいな」と気がついたことを、上司や先輩と相談しながら形にする。それは、普段から改札やホームに立っているときに気がつくからこそ、できることだと思います。決まっていない時間に、何ができるか。そこを考えてもらいたいです。

読んでみて、駅員は無理かもしれない、と感じていませんか。決めなくて大丈夫です。向き不向きの話は駅員に向いてない人はいる?現役駅員が感じた「しんどくなりやすい4つの癖」に書きました。

今日やってほしいことを、1つだけ。

駅員には、日勤と泊まりという働き方があって、1日はこう流れる。それを知っておいてください。今日は、それだけで十分です。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。独立した2つが、お互いに連携している。私の駅員の1日は、そういう形でした。

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この記事は個人の体験です。心や体の不調が続く場合は、我慢せず身近な人や専門家に相談してください。

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