泊まり勤務はきつい。それでも続けられている私の、眠れない夜との付き合い方

鉄道員になる

結論から書きます。泊まり勤務はきついです。ただ、きついのは夜そのものじゃなかった。明けの日の使い方で、しんどさは変わります。

私は駅員から車掌、運転士、本社と回って、今は現場に戻り、泊まり勤務のある職場で働いています。

この記事で分かるのは3つです。

  • 泊まりの夜、実際にどれくらい眠れるのか
  • 明けの日をどう過ごすか(ここが本題です)
  • 食事・体重・家族の時間はどうなるか

泊まり勤務、自分の体でもつだろうか。そう思っていませんか。大丈夫です。私も最初は、体がついていきませんでした。

書くのは鉄道の話です。ただ、看護、介護、警備、工場。夜をまたぐ仕事なら、たぶん同じところでつまずいています。なお勤務の形は会社によって違うので、ここに書くのは私ひとりのやり方です。

▼泊まりの1日の流れを、朝から翌朝まで書いた記事

駅員は1日、何をしている?泊まり勤務の朝から翌朝までと、日勤との違い

泊まりの夜、私は「ただ横になっている」

仮眠は4時間前後あります。それでも私に、眠った感覚はありません。

ただ横になっている。その言葉がいちばん近いです。ぐっすり寝ることは自分にはできないと思っています。横になって、少し休憩する。それだけ。

仮眠室は個室で、ベッドがあります。もう一つ、鉄道ならではの物が置いてあります。起床装置です。時間になるとベッドの空気袋がふくらんで、体を起こしてくれます。鉄道の職場では音を出すのを嫌うので、鳴るアラームではなく、ふくらむタイプになっているわけです。

その装置があっても、私は自分の目覚ましもセットして横になります。

前回の記事で、初めての泊まり勤務の夜は体力ゼロでバタンキューだった、と書きました。あれは眠ったのではなく寝落ちです。そして、あの寝方は長くは続きません。

仮眠があると聞いて、少し安心しませんでしたか。泊まりの夜は、寝る時間ではないんです。休む時間です。

きついのは夜じゃなく、明けの日だった

明けの朝、職場を出ると日が出ています。明るい中を歩いて帰る。あ、終わった。

でも、終わっていません。

電車は終着駅に着いても、そこで役目が終わるわけではないんです。向きを変えて、また走り出す。折り返しです。泊まり明けの朝もそれと同じ。終わりじゃなくて、折り返しでした。次の勤務までの時間が、もう始まっています。

いちばん失敗した過ごし方を書きます。明けの日に寝ないで、そのまま遊びに行くことでした。

若い頃はできたんです。ひと晩起きていても、そのまま出かけられました。ただ、遊びすぎた次の日がまた泊まり勤務で、1日じゅうだるかった。あの体の重さは今でも覚えています。

今は体力も落ちてきましたし、家族もいます。だから明けの日は家でゆっくり過ごして、体力と栄養を養う。そう決めました。

流れも決めています。帰宅したら、まずシャワー。それから1時間ほど昼寝。あとはのんびりします。

明けの日、気づいたら夕方だった。そんな1日になっていませんか。私が変えたのは、この流れ、つまり自分のルーティンをしっかり守ること。それだけです。用事があれば出かけますが、流れは崩しません。

眠れない夜に、私がやっていること

3つだけです。買う物はありません。

1つめ、お風呂に入る。お湯に入って、ゆっくりする。それだけです。

2つめ、睡眠用の音楽をかける。YouTubeで「睡眠用BGM」と検索して、出てきたものをかけるだけです。無料でできますし、曲を選び込んだりもしません。

3つめ、勤務中にメリハリをつける。休むときは思いっきり休む。仕事をするときは仕事をする。泊まり勤務は長時間なので、集中力を張りっぱなしにすると持ちません。休憩時間はなるべく外に出歩いたり、音楽を聴いたり。一人の時間を意識的に作っています。

正直に書くと、効かなかったことは特にありません。そのかわり、増やしてもいません。同じことを繰り返しているだけです。自分の中でルーティンになっているから続いています。

眠れないこと自体に、いちばん体力を使っていませんか。私はもう、ぐっすり眠ることを自分に期待していません。湯船と音楽で、軽くリラックスできればそれでいい。そのくらいの気持ちでいます。

勤務中の食事は「これ以上増やさない」ために選ぶ

泊まり勤務の食事は、買うか、家から持って行くかのどちらかです。

買うときは、コンビニで健康に気をつけたものを選びます。持って行くときは、パックご飯や、チンして食べる魚。そのまま持って行けて、温めるだけで済むものです。

弁当箱は使いません。理由は味でも手間でもなく、帰りに荷物になるからです。明けの朝、空の弁当箱を持って帰るのが、どうにも嫌でした。

体重の話も書きます。前の記事で、駅に戻った初日に制服へ袖を通して「あ、太ったな」と思ったと書きました。そのあとどうなったか。変わっていません。増えても減ってもいないです。

減らせていないのか、と思われたかもしれません。私の目的は減らすことではなく、これ以上増やさないことです。泊まり勤務をしながら体重を保てているなら、今はそれで十分だと思っています。

泊まりの日は連絡しない。かわりに平日の昼間にも動ける

泊まりの日、子どもたちと連絡を取ることはありません。

冷たいでしょうか。もう諦めているというか、泊まりの日は仕事は仕事、プライベートはプライベート。そこは分けるようになりました。家族も泊まり勤務を分かっているので、「あ、今日は泊まりだな」で済みます。いちいち説明もいりません。

家族に申し訳ない。そう感じる日はありませんか。私にもありました。ただ、泊まり勤務が家族の時間を減らすだけかというと、そうでもないんです。

休みが土日に固定されていないので、明けの日や休みが平日に当たることがあります。だから子どもの送り迎えにも、行事にも、積極的に参加できます。幼稚園の子と小学生の子がいますが、平日の昼間に親が動けるのは想像よりずっと大きい。日勤だったころより、今のほうがいいと思っています。

泊まり勤務は、家族の時間を減らすだけのものとは違いました。

泊まり勤務が原因で折れたわけではない

ここは誤解されやすいので、正直に書きます。

私は数年前、心の不調で半年休職しました。ただ、休職する前の私は日勤でした。泊まり勤務ではありません。

夜勤があると心を壊す。そう心配していませんか。少なくとも私の場合は、逆だったのかもしれません。朝行って夜帰る。あの毎日のほうが、私にはつらかったのかもしれないと今は思います。

休職の前と後で、泊まり勤務との付き合い方も変わっていません。変えたことを1つ挙げるのが難しいくらい、そのままです。

休職と復職のいきさつはシリーズ第1話から4話に、復職してから沈まないために決めたルールはこちらの記事に書きました。心のほうの話は、そちらに置いてあります。

いちばんきついのは、最初の1〜2か月

体がきつかったのは、初めて泊まり勤務をやったときです。

それまで日勤でした。日勤からいきなり泊まりになると、体がついていく感覚がありません。夜に起きていること自体に慣れていないので、当たり前です。

ただ、1〜2か月ほど続けば体は慣れます。ここは言い切ります。だから最初のところで「向いていない」と判断しないでください。

それでも続けているのは、日勤にはないものがあるからです。

1つは通勤。出勤も退勤も、時間によってはほとんど人がいません。満員電車を避けられるのは、本当にありがたいです。

もう1つが、さっき書いた明けの朝です。仕事が終わったときの開放感は、日勤とは段違いでした。あの「あ、終わった」のうれしさは、泊まり勤務をやっている人だけのものだと思います。

なお、駅の仕事そのもののきつさは駅員の仕事のリアルに書きました。

泊まり勤務は、慣れるものではなく組み立てるもの

これから泊まり勤務のある仕事に就く人に1つだけ言うなら、健康です。健康がなければ、全てが始まりません。長時間勤務なので、自分の体をケアする心を持っておいてください。

そのうえで、今日やってほしいことを1つだけ。

次の明けの日、カレンダーに「何もしない」と書いて、予定を空けておいてください。30秒で終わります。

書いてあると、誘われたときに断りやすくなります。明けの日は、休むために空けておく日です。これから就く人は、勤務が月に何回あるかより「明けの日に何をするか」を先に想像してみてください。

きつさは夜ではなく、明けの日の使い方で決まります。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。泊まり勤務がきついのは、あなたの体力が足りないからではありません。

出発進行!


休職→復職シリーズ(全4話)


この記事は個人の体験です。眠れない状態や体調不良が続く場合は、我慢せず医師に相談してください。休職・復職に関する判断は、必ず主治医・産業医の指示に従ってください。合うかどうかには個人差があります。

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